お知らせ

2023 / 07 / 24  08:43

お暑うございます … 其の八

お暑うございます … 其の八

盆提灯売り

盆提灯売りは六月末から七月朔日(ついたち)迄の商いで 其の間町には多くの売

り子の姿が見られたとの事でございます 問屋の店先にも美しい絵提灯が一杯に

吊るされ大中小の髭骨(ひげぼね)提灯は瓜形 丸形 枕形 瓢箪形の数種があり

大は二尺余り中は尺八 尺五 尺三 小は尺以下なり 又子供の翫(もてあそ)び

の小形 瓜丸の二種にして 画は紅彩色(べにいろゑ)且藍画(あゐゑ)にて人物 山

水 花鳥 草花をゑがくのでございます 又白張に井桁に立花を図し髭題目を書

きしは法華宗向の品にして 散りし蓮華をゑがくは諸宗向成る可し 町方にては

江戸市中裏長屋の其の日を送る生計の家にても必ず灯すのでございます

                        『江戸府内絵本風俗往来』

 

 

髭題目 : 日蓮宗では南無妙法蓮華経の題目の「法」の字以外の文字の筆端を髭

     の様に伸ばして書く 

此の絵の盆提灯売りは天保(1830~1844)の頃の姿でございます

売り声は

「ちょうちんやア 盆ぢょうちん ちょうちんや ちょうちん」

江戸の盆提灯売りは本来白提灯を用いて居りましたが 文化(1804~1818)の頃か

ら此の白張も廃れ 小提灯や色々な形をした灯籠が使われ始めたのでございます

                ⦅ 絵本『街の姿』(年代不明)清水清風画 ⦆