お知らせ
2024 / 11 / 08 21:01
時は …
昭和54年2月28日
小雪ちらつく夜9時 訪ね来る者在り
何方かと想えば 同じD組の宮沢君であった
其の手には サントリーレッドと新政が各1本ずつ
学生服のまま胸に抱えて立って居た
「風邪をひくからまあ入れ」と促し
何用かと訪ねてみたれば
「高校生活も明日で最後 故に朝迄呑んで語り合おう」
と … 『 明日は3月1日 卒業式なのだが … 』
想いつつ
「応 呑もう」『言ってしまった』 …
口から出てしまった以上再び飲み込む事は出来ず
結局 倉に在った麒麟ビールの大瓶12本とレッドと新政
も飲み干し気が付けば 朝の5時を回った処であった
急いでシャワーを浴びて身支度を整え 小阪鉱山病院前の
バス停に着いたのは6時45分 写真を撮り 急いでバスに
飛び乗ったのでございます
其の日1日の記憶が曖昧なのは 想像に難く無いものと想
われますが 高校生活最後の日なのでございます 後日
然る方と約束して居た事を思い出しても もう遅い
約束は 春の雪融けと共に露と消えたのでございます
