お知らせ
七帝戦(ななていせん) …
初手は1898年(明治31年) 東京の第一高等学校と仙台の第二高等学校柔道部の対
抗戦に端を発し後に 高専柔道(旧制専門学校・旧制高等学校・大学予科)の略称
で呼ばれる寝技中心の柔道大会に迄発展するのですが 戦後の学制改革により
旧制高校は消滅 依って大会も廃止の憂き目に遭うのでございます なれど
1952年(昭和27年) 高専柔道OBによる働き掛けに依り
北海道大学・東北大学・東京大学・名古屋大学・京都大学・大阪大学・九州大学
と旧帝大七大学による当時の高専柔道と同様 講道館柔道とは全くルールが異な
る七帝柔道として復活 以来年に一度 持ち回りで行われて居る寝技中心の柔道
大会を七帝戦と呼ぶのでございます
因みに フランス柔道柔術剣道及び関連武道連盟(フランス柔道連盟)の関係者に
依りますれば 高専柔道の流れを汲む柔道として2017年から七帝大柔道部と交流
を開始し 翌2018年にも高専柔道のルールを8割方取り入れた世界寝技選手権を
開催したいと述べて居たのでございます
寝技を得手としますれば 立ち技も果敢に攻めて行けるもの … 私見ながら
階級は違えど
昨日の団体戦初戦と決勝の先鋒戦が 其れを物語って居るものと思われまする
三角絞め …
男子60キロ級銀メダリストの
楊 勇緯(ヤン・ユンエイ)選手の得意技なのでございます
此の技 飛び付き膝十字固めと同様にロシアのサンボ又は
ブラジリアン柔術が発祥と思われがちですが 正真正銘の
日本の柔術家により考案された技なのでございます
1921年(大正10年)
起倒流備中派柔術の使い手にして捕縛術に長けた 竹内流
をも修術する講道館柔道教士
金光弥一兵衛(かねみつやいちひょうえ)師範が 岡山第六
高等学校高専柔道部にて 六高のOB高橋徳兵衛が用いた
挟み逆(はさみぎゃく)なる技を弟子の早川勝らと共に研磨
研鑽の末に仕上げた新技なのでございます
あれから今年で丁度100年
アブダビコンバットや七帝戦の様に寝技中心では無く 立
ち技を含むオリンピック柔道大会に於いて
「 得意技は三角絞めでございます 」
公然と宣う柔道家が現れ様とは 当時此の技に取り組まれ
た方々にとり真に面目躍如な宣いだったのではと想う今日
此の頃なのでございます
❂ アブダビコンバット:ADCCサブミッション・ファイティング世界選手権
( 寝技選手権決定戦 とも言う )